第5話「ブレスサーモと過ごして」ブレスサーモは、私の仕事には欠かせない役割を果たしてくれている。2010年から2シーズンを、ブレスサーモとともに過ごしてくれたナショナルジオグラフィック・フォトグラファー、ポール・ニックレン。レポートの最後は、ブレースサーモを使ってみて感じたあれこれを聞いてみました。

私はこの1年、ずっとブレスサーモを愛用してきた。

私はブレスサーモと出会ってからは、温かい地域以外の、北極や南極といったプロジェクトのすべてで必ずブレスサーモを着用していた。というのもブレスサーモは温かいのに非常に軽くてコンパクトなので、用意する衣類を少なく軽くできるからだ。一日中スノーシュー(カンジキ)をして氷河を登るときなど、荷物も着ているものも1グラムでも軽くしたいものだよ。とりわけ私の荷物の量は、撮影機材などで膨れ上がるからね。小型飛行機やヘリコプター、ボートなど貨物スペースが小さいので苦労するんだ。この仕事に就いて以来、いろんな衣服を試してきたけれど、ブレスサーモに勝るものはないんじゃないかな。

極寒の世界では、温かく乾燥していなければならない。

私の撮影現場には、無駄なものはいっさいない。極力少量で効果のあるものしか持っていく余裕はないんだ。その点ブレスサーモの温かさは申し分ない。薄くて軽いのに、とても温かいので戸惑うほどだ。なかでも特に気に入っているのは、汗冷えしないことだね。極寒の世界では濡れるということは、体温を奪われるということなんだ。たとえそれが自分の汗であっても。極端にいえば、私の命は衣服内が温かく乾燥していることにかかっている。ブレスサーモは、その両方を提供してくれるんだ。


氷点下の北極海に潜るときも、ブレスサーモは大いに役立ってくれる。

ブレスサーモの機能は、様々な作業にいろいろと応用できる。最近、あるプロジェクトでグリーンランドへ行ったときの話だ。現場は小型飛行機と小さなボートで3日もかかるような僻地だった。そこで水温マイナス1.5℃の北極海で水中撮影を行ったんだ。ドライスーツ(内部に水が侵入しないダイビング用スーツ)を着て潜る時、アンダーシャツにブレスサーモを使ってみた。海水が氷点下でも、ドライスーツの中は汗をかく。それが水温のために冷えてすぐに体温低下作用を引き起こすのだが、ブレスサーモだと肌が汗に触れない分、ずいぶん楽に感じた。水から上がってマイナス20℃、時速50kmの風の中でドライスーツを脱ぐときも、これまでのような辛い状況がかなり和らいだ。ブレスサーモはいまでは私の仕事には欠かせない役割を果たしてくれているよ。

寒さに慣れていない人たちには、ブレスサーモはとても重宝するはずだ。

キャンプについてしまえば、もう仕事はしない。一日中、雪や氷の上を歩きまわって、少し体温も下がっている時には、温かく包んでくれるブレスサーモのダウンジャケットを羽織るんだ。私は、ブレスサーモの一連のシリーズを気に入っているよ。温かくてドライに保てて軽い。極寒の環境では申し分ないんじゃないかな。私はこういう環境で生まれ育ってきたから普通だけど、寒さに慣れていない日本人や欧州の人たちにはとても重宝されるはずだね。